破天荒にガーリーに

自分の感受性ぐらい自分で守れ若者よ ―茨木のり子―     私は人よりも感受性が豊かでいたい、破天荒なエッセイストでもいいじゃない!

前髪

私は切るタイミングを逃し目の下までだらだらと伸びてしまった前髪が嫌いだ。

片方に寄せようとしてもはらりと落ちてくる、
真ん中で分けると不格好だし 
もうこうなったらどうしょうもない。

すぐ取れるのだけど、一応アイロンもする。
数回前髪を通すだけなのに、毎朝アイロンを棚から引っ張りだし、熱くなるまで待ち、冷めるのを待ち、片づける、、という3分の無駄足を駅の階段を駆け上り、じわりと感じるおでこに水滴を感じ絶望する。


なんと言っても視界が遮られるのが嫌なのだ。
視界は何にも邪魔されたくない。


職場で配られたフェイスガードも、ずっと慣れなかった。プラスチックの板はもちろん透明だししなやかに曲がるぐらい薄い。

だけれども自分の前に壁ができたようで嫌なのだ。
外とは直接繋がっていたい。


今日、私は自分で前髪を切った。
私は不器用な上に丁寧でもない、結果はもちろん不格好だ。中学生みたいなぱっつん。

でも気持ちは爽やかだ。
3センチの髪を切るだけでこんなに軽やかになるなんて。
さっそくベランダに出る。すーとした風に秋の空気を目から感じることができた。


「お月見でもするか」とコンビニへ団子を買いに行く。
不格好な前髪の存在もわすれて

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